糖質制限は寿命を縮めるのか?

糖質制限で「老ける」「寿命が縮まる」、週刊新潮に衝撃の記事が

ネットでのニュースでこの題名の記事を見かけてしまった。

実際にdマガジンで、週刊新潮のその記事を読んでみた。

実際に僕も糖質制限ダイエットで15㎏の減量に成功した。その後も糖質には気を使いながら食事をとってきた。

が、「やっぱり日本人としてご飯を食べなくてはいけない」と浅田真央さんのCMを見て以来ご飯を食べる気持ちを抑えられなくなり、今年の初めからは脱糖質制限を始めたのである。

2月からはまたダイエットを復活しているが、前回と週休3日ダイエットは同じだが、今回は脱糖質制限ということでダイエット方法を1日1食とスロージョギングで行っている。

それはともかく、僕としては脱糖質制限が間違っていなかったんだ、という安心感を与えてくれる記事委ではあるのだが、もし、1年前にこの記事を見たならば、大きなショックを受けていただろう。

でも、今現在、おそらく糖質制限ダイエットをしている人は多いと思う。

実際に、この記事の中でさえも書いているが、短期間での減量には糖質制限ダイエットはとても効果がある。実際、僕も週休3日で行っても約半年で15㎏の体重を落とすことに成功していて、その効果を実感した。

だから、今ダイエットの主流と言ってもいいのが糖質制限ダイエットであり、多くのダイエッターが取り組んでいることだろう。

そんな糖質制限ダイエットを行っているダイエッターにとっては、この記事はまさに衝撃的な内容であろう。

では、実際どのような内容なのか、実際に週刊新潮の2018年4月5日号を見てもらうのが一番いいのだが、僕はdマガジンで読んでみた。

またネットで”糖質制限で「老ける」「寿命」が縮まる”で検索するとそれにかかわる記事が検索できるが、内容を簡単に紹介しておこう。

糖質制限が寿命を短くする根拠とは

この記事は実際に、東北大学大学院農学研究科の研究チームがマウスを使って行った実験に基づくものらしい。

マウスを1グループ20匹で2つのグループを作る。そして一つのグループは、

脂質、糖質、タンパク質のバランスが日本食に近い「通常食」を与えるグループ

として、もうひとつは

炭水化物を脂質とタンパク質に置き換えた「糖質制限食」を与えたグループ

としたとのことである。

その結果、明らかに2つのグループで次の点に差がみられたというのだ。

  1. 寿命
  2. 老化の進行具合
  3. 学習能力

これはまさに50代の我々にとってはアンチエイジングという観点から最も重要なポイントではないだろうか。

そして具体的には、それぞれの差は次のようなものだった。

  • 通常食グループのマウスは多くが平均寿命より長生きした
  • 糖質制限食グループのマウスは平均寿命まで生きられなかった個体が多く、それらは平均寿命より20~25%短命だった
  • 糖質制限食グループのマウスは背骨の曲がりや脱毛などがひどく、通常食グループのマウと比べて30%も早く老化が進んだ
  • 糖質制限食グループのマウスでは学習能力の低下も見られた

糖質制限をしたマウスは、一般的なマウスの平均寿命の20~25%寿命が短いということは、日本人の平均寿命である約84歳で考えるとどうなるのか。

糖質制限をしている人の寿命は63~67歳、ということになってしまう。

60代と言えば、今の世の中では、まだまだ高齢者の中では若造と言われる年齢である。自分の年齢で考えると、早ければあと5年、遅くても10年以内には寿命を迎えることになってしまう。

それに輪をかけて恐ろしいのが老化の進行である。脱毛が30%も早く信仰してしまうなんてショックである。

さらに学習能力も普通よりも低下する、ということは認知症になる確率も高くなる、ということだろうか。

もちろん、このマウスの実験結果がそのまま人間に当てはまるものでもないだろうし、人間にも同様のことが言えると証明されるものでもないだろう。

しかし、人間にも同じようなことが起こりえる可能性はあるのかもしれないし、実際その可能性は高いのかもしれない。

では、なぜ糖質制限をしたグループはこのような結果になっているのか、その原因はなんなのか、この記事では次のように推測している。

このような結果となった原因として、インターロイキンシックス(IL-6)という物質の影響が大きいだろうということである。

このインターロイキンシックス(IL-6)という物質は、その数値が高いと、「がんや糖尿病などの発症率が上がるのはもちろん、体全体の炎症を促進させる」とのことである。

実際に、百歳以上の長寿の方はこのインターロイキンシックス(IL-6)の数値が極端に低いとのことである。

糖質制限食を与えられたグループのマウスは、このインターロイキンシックス(IL-6)の数値が、通常食を与えられたマウスのグループに対して1.5倍もあったようだ。そのことから、このインターロイキンシックス(IL-6)が糖質制限グループのマウスの寿命を短くして老化の進行を早めさせた原因であろうと、考えられているようだ。

糖質制限は動脈硬化を招く?

さらにこの記事では、実際に糖質制限をしたことによって、皺やほうれい線が目立つようになり、明らかに見た目の老化が進んでしまった医師の話も出ている。

まさにアンチエイジングとは逆行している例である。

さらに注意を促しているのは、動脈硬化である。

糖質制限をすることによって、次の2つのリスクが上がる可能性が指摘されている。

  1. 動脈硬化
  2. 高血圧

糖質制限をすると、糖質の代わりに脂質を余分に摂取することになる。そのため、その余分に摂取さらた脂質の脂が血管に詰まり動脈硬化、高血圧を引き落とすという明確なメカニズムがあるとのことなのだ。

記事の中では、アマゾンの奥地に住む世界一健康な心臓を持つ部族としてチメイン族という部族の調査結果が紹介されている。彼らの食事の中で、糖質制限で最も大敵となる炭水化物の割合が72%にもなるということが紹介されているのだ。ちなみに日本では総カロリー量中の炭水化物の摂取基準は50~65%に設定されているそうなので、それに比べるとチメイン族の炭水化物摂取量はかなり多いということになる。

つまり、炭水化物を多く取ることによって健康な心臓が作られているというわけだ。

さらに糖質制限と癌発症のリスクの相関性も指摘されており、糖質制限の危険性を強く指摘する内容となっているのだ。

実際には、糖質制限はいまだに賛否両論

最初に紹介したマウスの実験は東北大学で行われているということで、その大学名だけで信頼性が高いと感じてしまうが、本当のところはどうなのだろう。

もちろん、糖質制限にリスクがある可能性は間違いないのかもしれない。

でも、糖質制限に関しては、その賛否はここ数年議論があるようで、この記事のような反対派はそれにそったデータを紹介して、賛成派は糖質制限が健康に寄与するというデータを紹介している。

実際、この記事を読んだ直後に今度は、全く逆の記事をヤフーニュースで発見してしまった。「「炭水化物が命を縮める」 衝撃論文の中身とは」という記事である。

世界で最も健康な心臓を持っているアマゾンのチメイン族が大量にとっている炭水化物、それがこの記事では寿命を縮める、というのである。

この場合、炭水化物=糖質と考えていいと思うので、まさに糖質制限が寿命を縮めるとは全く逆、糖質制限は寿命を延ばす、という記事であるのだ。

これについても、あらためて調べてみたいと思うが、とりあえずは、糖質制限のリスクについての可能性を今回は学んだということである。