糖質制限、情報にはエビデンスが大事、だけれど・・・

何が根拠かは大事なのは確かであるが

情報、特にネットの情報は玉石混淆というと、優れたものとそうでない物という意味になってしまうのであろうか。であれば、適切ではないのかな。

ネットの情報は正しいものもあれば、フェイクなもの、つまり嘘と言っていいよう物まである。と言われていますね。実際にそうだと思うけど。

特に健康に関すること、また最近はダイエットに関することなど、健康に影響を与えるような情報に関しては、特に、その情報のエビデンス、つまりその情報はどこから得られた情報で、その情報が正しいという証拠はどのようなものなのか、つまりその情報の根拠となるもの、それも科学的な根拠を示していない物は信用できない、とも言われている。

確かにその通りである。適当な情報を信じて、ダイエットをして、健康被害を被ってしまう、ということもおそらく、実際にあるだろう。

健康、ダイエットに関する情報に関しては、極端な話、命に関わるリスクもあるので、その情報の信頼性というのは、とても大事になってくるのは確かである。

エビデンス、根拠があるから正しいとも限らない

では、科学的なエビデンスがある情報は必ず正しいのか?というと、必ずしもそうではないようだ。

最近では、今最も流行りのダイエットである「糖質制限」に関して、「糖質制限」は体に良いのか悪いのか、ということでどちらも科学的なエビデンスを持って、激しい論争が行われている。

糖質制限がダイエットに効果的なことは確かである。そして、今まではどちらかというと、糖質製げをすることによって、人間の体は健康になり、寿命も延びるようになる。という主張が優勢だったように思う。そして、その根拠もいろいろな雑誌や書籍などで繰り返し主張されている。例えば次のような書籍でも。

  

ちなみにAmazonの本で「糖質制限」というキーワードで検索すると、たくさんの糖質制限レシピ本や糖質制限肯定派の本が何ページもわたって出てくる。

▼Amazonで「糖質制限」を検索すると(ジャンル=本)

しかし、東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授らのマウスを使った実験で、糖質制限によって老化が促進される、という報告が発表されて以来、糖質制限否定派の主張もかなり強くなってきている。

▼糖質制限で「老ける」「寿命が縮まる」… 東北大が研究「週刊新潮」2018年4月5日号 掲載

ではAmazonで糖質制限否定派の本を探してみると、数は圧倒的に少ないが、このような本が見つかった。

    

ただ、これら糖質制限否定派の本は、圧倒的多数の肯定派と思われる人たちからの批判のコメントが多く、みんな評価は低くされている。

しかし、前述東北大学の「糖質制限は老化を促進させる」という発表以来、糖質制限否定派も盛り返しているようだ。

となると、我々一般人はどちらを信じればいいのだろう。両者ともに医学、科学の専門家であり、科学的エビデンスを主張しているのだ。ということは、どちらかが間違っている、ということになるのである。

つまり糖質制限をすべきかどうか、一般人は、自分がどちらを信じるか、ということでそれぞれの個人の判断に任される、ということになっているのである。

科学的エビデンスがあるからと言って簡単には信じられないのである

つまり科学的エビデンスがある主張と言っても、結局は正しいか間違っているかわからない、ということになる。

健康やダイエットに関しては、このようなものが多い。タモリさんや、ガクトさんが実践していることでも有名な1日1食に関してもそうである。専門家の間では、賛否両論である。

長く日本人の主食としてされてきた白米も、糖質制限肯定派からは悪玉の筆頭に挙げられている。また長く健康食品の代表で会った牛乳にも、悪玉説が出ている。

などなど、だが、これはおそらく他の分野においても同じであろう。

今は地球が太陽の周りをまわっているのを疑う学者はいないだろうが、かつてはその手の専門家のほとんどが太陽が地球の周りをまわっていると信じていた。

もしかしたら、数年後には糖質制限否定派が優勢になり、お米が復権しているかもしれない。

こういったことは科学の分野だけではない。例えば歴史。

僕らの習った聖徳太子の絵だというものは、今は違う人だと言われ、西郷隆盛もそうである。

バカ殿として有名だったお犬様の徳川綱吉は、実は名君だった、などなど、僕らが習った時と、現在の歴史の認識はかなり変わってきていることがたくさんあるのである。

ということは、将来、現在こうだと言われていることの多くが否定される時が来るということにもなる。

ネットの情報でもエビデンスがない情報は信用できない、と言われているが、エビデンスがしっかりとある情報でも簡単に信じてはいけないのである。というより、ある意味ではエビデンスがあるがゆえに間違った情報を信じてしまうこともあるだろう。

糖質制限の賛成派、否定派が根拠とする科学的なエビデンスも、事実として間違ってはいないのだろうが、その事実を糖質制限の良し悪しの根拠として安易に使ってしまうこと自体がおそらくは間違っているのだろう。

僕ら一般人は、学者さんやお医者さんの言うことは、なんでも信じてしまいやすいのだが、あくまでそれも、その学者個人、医者個人の見解、主張であり、それとは違う意見、主張を持つ専門家もたくさんいる、ということである。

では何を信じたらいいのだろうか、それも個人の判断である。