五輪、橋本聖子さんが担当大臣から組織委会長へ
2021年も2月の後半、同年夏に延期された東京オリンピックの開催に賛否がいある中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の前会長の森元総理大臣が、自らの「女性蔑視発言」で辞任に追い込まれ、後任の会長に選ばれたのが橋本聖子さんだ。国内だけではなく、国際的にもいろいろな意見が飛び交う中、報道によると、当初、本人は固辞していたようだが、結局森さんの後任として東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を受諾した。大臣職は、大臣の職は国務大臣規範の兼職禁止ということから辞任した上での会長就任となった。
大臣を辞職した後、さらに自民党も離党、これは組織委としての公平性という観点から、主に野党からの批判に対しての行動だろう。またさらに、参議院議員の辞職と求める声もあるようだ。個人的にはそこまでしなくてもいいだろう、と思うのだが。
橋本聖子さんは、前会長の森喜朗を政治の師、父と呼ぶほどの緊密な関係とのこと。そこで、代わったとはいえ、森さんの影響力が残るのでは、という懸念の声も聞こえる。当然、それも予想されたことだろうから、そういう批判が出ることも承知の上での会長就任だろう。
僕は、そういったネガティブな面を差し引いても、橋本聖子さんには期待したいと思っている。何せ、本来のスピードスケートの選手として冬季オリンピックに4回、日本人女子初の銅メダルも獲得している。そしてその脚力を生かして、自転車競技で夏季オリンピックにも3回出場している。凄い人だ。名前の聖子も、東京オリンピックの聖火が由来とのことで、まさにオリンピックの申し子。バックに森さんが控えていたとしても、ことの良し悪しは、しっかりと客観的に判断してくれるだろう、と期待している。
橋本聖子が辞任した東京オリンピック・パラリンピック担当大臣は、丸川珠代さんが再度就任することとなり、女性から女性へのバトンタッチとなった。今回の騒動では、海外からも女性蔑視という観点で森さんだけでなく、日本という国が情勢軽視の国と見られているのではないか、ということもあり、女性の橋本聖子さんが公認として選ばれた。もし、橋本聖子が拒否したとしても女性にすべき、との声が強かっただろう。
一方では、”女性”ということにこだわること自体が女性差別だ、という声もあるようだ。本来は、女性、男性という区別は抜きに、単に能力のある適材適所という観点から選ばれるべきで、その結果として女性が男性と同等になっているべき、というもの。だから、批判されたからj、あえて女性にする、ということ自体が問題だ、という意見である。
でも、現実として、今の日本に女性に社会的立場での不利があることは事実だろう。僕は今ではそうは全く思わないが、子供のころは、お母さんは家にいるもの、お父さんは仕事する人、というイメージが何の抵抗もなく頭に根付いていた。おそらく、僕と同年代ぐらいの人までは、ほとんどがそうではないだろうか。でも、今はそれは変えるべき、と思っている。そして、そのためには、今回のような批判されたから、とかも、また意識的に女性の議員を増やす、会社での役員の数を増やす、ということはやるべきだと思う。
まずは意識して女性の活躍の場をあえて増やしていけば、その結果として、日本でも、自然に女性の社会的立場が事実上として上がってくるのではないだろうか。
今夏、東京オリンピックが何らかの形で開催できるのか、それに際してのたくさんの課題、検討項目がここ1か月ぐらいの間に決めなくてはいけない、という難題に直面したところでのドタバタだったが、橋本聖子さんにはぜひ頑張ってほしいと思う。
大坂なおみ選手が全豪オープンテニスで優勝!
つい先日行われたテニスの全豪オープンで、大坂なおみ選手が見事、優勝した。すでに全米オープンテニスでは2回の優勝を上げているが、今回の優勝で全豪オープンテニスも2回目の優勝である。残るは全仏オープンとウィンブルドン選手権である。ぜひ期待したい。女性、男性関係なく、海外で日本人が活躍するのはとてもうれしいことである。男性としては、錦織圭選手にも頑張ってほしい。
また、大坂なおみ選手は今回優勝した全豪オープンテニスの間のインタビューでも、前記、森元会長の女性蔑視発言について自分の考えをはっきりと発信していた。
こういった、スポーツ選手、また芸能人が、政治的な発言をすることを聞くことが以前に比べて増えているように思う。一部の日本人は、それを批判的に見たり、行ったりしているようだが、僕は、こういったいわゆる有名人が自分の考えをはっきりと発信することはよいことだと思う。別に自分の考えと違っても、それはそれ。夫婦だって、政治的思想が違うことはよくあるだろう。
もちろん、有名人の発言は悪い影響として働くこともあるかもしれない。でも自分の意見をはっきりと言うことは、決して悪いことではないだろう。むしろそれが、日本人にかけている部分なのではないだろうか。
池江璃花子選手、白血病から復帰後初の優勝
飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍していた最盛期に、まさかの白血病に襲われた水泳の池江璃花子選手が、白血病を克服してからの復帰後、初めての優勝を東京都オープンの50メートルバタフライで果たした。これも凄い。本当に凄い。
白血病と言えば、僕らの世代の人のイメージとしては、死を覚悟しなければならない病気、というイメージだった。しかし、それはもうひと昔前の話なのかもしれない。医学、医療技術の進歩によって、今は白血病も治る病気になっているのだ。そうはいっても、必ずしも100%が助かる病気でもないだろう。
池江選手が白血病になったというのが発表されたのが、2019年の2月ごろであっただろうか。まさに2020年に行われる予定だった東京オリンピックで最も期待される選手だったといっていいだろう。そんな時に突然の白血病。世間も凄く驚いたが、本人の心の落ち込み、というか、なんというか、そういうものは計り知れないものがあっただろう。でも、闘病生活に入ってからも池江選手からの発信は、いつもポジティブなものだった。心の中ではいろいろな葛藤、苦しみがあっただろう。でも、それを微塵も見せることなく白血病と戦い、打ち勝った。これは、白血病の人だけでなく、何らなの病気で苦しみ人たちに大きな希望を与えてくれたのではないだろうか。
発病から2年目の2020年には競泳競技大会に復帰、これだけでも最大級の称賛をされるのだが、2021年2月、発病が発表されてから、ちょうど2年ぐらいという短期間での復帰後初優勝、本当に凄い。
完全に絶望的だとみられていた池江選手の東京オリンピック出場も、もし東京オリンピックが開催されるとした実現するかもしれない。そうなってほしい。
東京オリンピックの開催の是非については、現在、ネガティブな意見の方が多いようだ。でも僕は、開催されてよかった、と国内からも、海外からも言われるような東京オリンピックを開催できるような状況をなにがなんでも作ってほしい、と政府、東京都にお願いしたい。もちろん、従来のような形での開催は出来ないだろう。外国からの観客もおそらくはないだろう。形はどうあれ、開催してよかったと、多くの人が感じるような東京オリンピックの開催を期待したい。それが結果として、日本経済が最も早く回復していく道ではないかとも思う。
そうすれば、池江選手のオリンピックでの活躍も見ることができるだろうからね。
意識して女性を重視、これでいいのではないだろうか
最初に書いた橋本聖子さんも凄いアスリートだった。そして、大坂なおみ選手、池江璃花子選手も、ものすごいアスリート。2021年2月、女性のアスリートの活躍が目立っている。でも、女性が活躍できる場は、もちろんスポーツだけではない。政治も含めたすべての分野で今後、女性の活躍の場が増えるだろう。あえて女性を増やす、ということに抵抗感がある方もいるかもしれない。でも、今の日本の段階は、あえて、また意識して女性を重要なポジションにつけるべき時期ではないだろうか。
新型コロナ感染対策でも、日本の後進国天性があらわになった。一時はトップを走っていた家電や電気機器分野でも今や韓国や中国の後塵を拝している、と言ってもいいだろう。男女平等という観点からも日本は世界的に見れば後進国である。自然な形で男女を意識しないレベルになる場でには、日本はまだ少し時間がかかるだろう。だから、あえて、意識して、でいいのではないだろうか。
2021年、「女性」という言葉がキーワードであり、一つのトレンドになるのではないだろうか。