また金縛りにかかりたい!?

中学時代、毎晩のように金縛りになっていた。

最近、睡眠についていろいろと調べようとしているのだが、そこで思い出したのが金縛りである。今は心霊現象でもなんでもなく、「睡眠麻痺」という睡眠障害のひとつだと言われているようである。

そういえば、もう何年も金縛りにかかっていない。50代になってから金縛りになった記憶がない。45年ほど前は、嫌というほど毎晩のように金縛りにあっていた時期もあったが、今は金縛りになりたくてもならないのである。

僕が初めて金縛りになったのは、45年ぐらい前、中学の頃であった。夜寝ているときに突然、目が覚めると同時に、胸から足にかけて強い圧迫感で押さえつけられたようになった。そして、体を動かそうとしても全く動かない。よく言われるように誰かが上に覆いかぶさっている感覚があり、恐怖におののきながら動こうとしても体が微動だにしない。

目も完全に開くことが出来きず、半開きの状態で視線を動かすこともできない。恐怖で声を出したくても、声も出ない、それでも絞り出すようにウー、っと出来る限りの力で声を絞り出しているとその声に気づいてくれた母親が部屋に入ってきた。

と同時に押さえつけられていた感覚がなくなり、体が動き、声も出せるようになったのであった。

まさに、当時の僕にとっては心霊現象としか思えず、とても怖かった。

その後、時々、金縛りに襲われるようになり、徐々に頻度が高くなっていった。夜、寝るのが怖くなりただでさえ、寝つきが悪かった僕は、夜の10時ごろ寝ても、朝方まで寝付けないこともしばしばだった。

今思えば、それが金縛りが金縛りの頻度を上げていったのかもしれない。体は疲れて寝ようとしているのに、頭は寝付けない。それが一番、金縛りにあいやすい状態なのが、のちにわかってきた。

最も金縛りにかかっていたのは高校入試のための受験勉強をしている時期だった。その時期、毎日のように寝不足だったので、学校から帰るとまず寝てしまい、夜の10時ごろ起きて勉強を始める、という生活パターンを送っていた。

夕方、学校から帰ってから寝るときは金縛りにかかることはあまりなかったが、夜起きてから勉強を始め、途中で一休みしようと一瞬ベッドに横になると、ほぼ横になった瞬間に金縛りに襲われるのである。それも、受験勉強を行っていた2か月余りの期間、ほとんど毎日のように。

だったら途中で休まなければいいじゃないか、と思うかもしれないが、そのころはすでに金縛りにかかることにかなり慣れてきていたので、当初恐怖だった金縛りの時の感覚もそのころにはもうなくなっていた。またか、という程度にしか感じなくなってたのである。

毎日のように金縛りになっていたので、その対処法もわかってきていたのであった。金縛りの解き方については後述しよう。

なぜ金縛りになるのか?

金縛りになぜかかるのか、現在言われているのは、いきなりレム睡眠(体は弛緩して休息状態になりながらも脳は活性化している睡眠状態でこの時に夢を見る)から入ってしまうのが一つの原因と言われている。

通常眠りに入る場合は、脳が休止状態となるノンレム睡眠から入り深い眠りに入った後、ノンレム睡眠に移行していくと言われている。

しかし、疲れて、うとうとしているような時にはいきなりレム睡眠から入ってしまうことがあるらしい。つまり、起きている状態から継続してうとうとしながらも、まだ脳は活性化、活動しているが、体だけが勝手に休止状態に入ってしまのである。その状態では脳は活動しているのでちょっとした刺激で意識は目覚めてしまう。でも意識が目覚めても、体は弛緩したままの完全休止状態が維持されてしまう。

つまり目は覚めても体は寝ている状態なのだ。その状態ではいくら体に動くように意識が指令しても体は全く反応しない状態なのである。これが金縛りの状態なのだ。

従って、疲れている、ストレスが溜まっているときに金縛りにかかりやすいと言われているのである。

確かに僕の場合もそうだった。特に中学時代の受験勉強の時は、受験2か月前にあせって受験勉強を始めたので精神的なストレスも溜まりかつ毎日夜中に受験勉強をして睡眠不測の状態が続き、心身ともに疲労が蓄積された状態だった。

それ以前から1週間に1度は金縛りにかかっていたが、その受験勉強を始めてからは、ほぼ毎日のように金縛りにかかるようになっていたのであった。

金縛りの解き方

金縛りになるときは、その直前にわかる。少しうとうととなった時、あるいは寝始めてうとうとしながら夢を見た時、瞬間的にやばい、金縛りになる、とわかるのである。でも、その時はすでに遅く、僕は金縛りになるのがわかってもそれを避けることは全くできなかった。

最初のころは、なんとか金縛りから抜け出そうともがいたが、次第に金縛りになることにも慣れてきて、解き方のコツもわかってきた。

一度金縛りにかかったら、すぐに抜け出すのは無理ということがわかってくると、しばらくはそのまま我慢するようになった。半開きの目で少しぼやけた視界にあるデジタル時計の分の数字が変わっていくのが見えていた。

そして、あるタイミングが来ると、ここだ、ということがわかるようになり、その瞬間に金縛りから脱出するのである。

これも金縛りにかかるときと同様に、その直前に抜けられるタイミングがわかるのである。

そのタイミングが来るまでは、何をやっても金縛りから抜け出すことは出来なかった。

ただし、誰かに起こされると金縛りは解ける。

なんとか声を絞り出すと言葉にはならないが、誰かに気づいてもらうことは出来る場合があるのである。

だから、出ない声を絞り出して誰かを呼ぶ、というのも金縛りから抜け出す方法である。

結婚してから金縛りにあったときは、この方法で隣で寝ているかみさんを起こして金縛りから抜け出したことも何度かあった。

でも、それで気づいてもらえない時は、ひたすら抜け出せるタイミングを待つのであった。

つまり、金縛りにあった場合、それを瞬時に抜け出す方法はないのである。

ひたすらもがくか、解けるタイミングを待つしかない、これが僕の金縛りに対する対処方法であった。

金縛りは幽体離脱の入り口?

少し前に明晰夢について調べた時に、幽体離脱も関係してくることを知った。その中で、幽体離脱が起きるときに金縛りと同じような状態になる、というような話もあった。

確かに、数えられないくらい金縛りになった経験の中で、それに該当するような経験もしたことがある。

幽体離脱なんて大それたことを経験したというほどではないが、例えば、何度かこういう経験をしたことがある。

いつものように金縛りにかかり、もがいているとふと、体を起こすことが出来たことがあった。それは、いつものように金縛りから抜け出す感覚とは全く違うものであった。

で、体を起こして枕元にある電気を付けようとするのだが、それがなかなかすけられないのである。なんとか電気を付けたくて起き上がり、スイッチとなるひもを引っ張ろうとするのだが、それが引っ張れないのである。

なんで引っ張れないんだ、と思っていると、ふと、また目が覚めるのである。

感覚としては、夢の中で、金縛りになった夢を見て、夢の中の世界で目が覚めた、そんな夢を見ていたような感覚である。

こんな感じで夢の中で、夢を見ていた、夢の中で目が覚めた夢を見ていた、という体験がたまにあったのである。その時の意識、感覚は普通に目覚めているときと全く同じで記憶も鮮明に残るので、とても不思議な感じだったが、今思えば、それこを明晰夢であったのかもしれない。そして、そこで動けば幽体離脱的なものにもなっていたのかもしれない。

当時は幽体離脱なんて言葉は全く頭になかったが、もしそのころ明晰夢や幽体離脱の知識があれば、もっと面白い体験が出来たのかな、と今は少し悔しく思っている。

だから、今になってまた金縛りになりたい、と思っているのだが、安易な生活を送って十分なストレスがないせいか、心身が疲れるほど仕事をしていないせいか、全く金縛りにかかることができないのである。

でも、明晰夢に関しては、またどこかのタイミングで集中的にトライしてみたいと思っている。

そして、また金縛りにかかるようにならないかなぁ、と願っている。バカみたいだが、これは真面目な話である。

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