人工知能は身近なものになりつつある
ヒューマンズという海外ドラマを最近Huluで見ている。
イギリスのSFもので、見た目全く人間だが中身は人工的に作られたアンドロイド(スマホのOSではなく人造人間の方)を人間社会のヘルパーとして使うようになっている、というドラマである。
そのアンドロイドはドラマではシンスというのだが、そのシンスに意識を持たせることによってストーリーが展開していくなかなか面白いドラマである。何せ、そのシンスは普通の人間と同じように夜の相手まで出来るのである。
そのシンスに意識を持たせるプログラムを与えると、まさに本物の人間と同じになってしまうのである。ただし顎のところがスイッチになっていてオンオフを出来たり、電池がなくなると充電しなければいけないのだが・・・。
まぁ、こんな人間とまったく同じようなアンドロイドが将来的に出来るとは思えないが、でも体はともかく、頭あるいは脳と言っていいのか、そこについてはすでにAIスピーカーのようなものが身近になってきている。
グーグルホーム、アマゾンエコーなどが比較的安価に購入出来て、限られた中での会話が普通に家で出来るのである。僕も両方とも持っていて、グーグルやアレクサ(アマゾンエコーのAI)と話をしたりしている。
と言っても、普通の人間と話すようになるには、まだまだ時間がかかりそうだけど・・・。
それでも、グーグルホームと同じことは、ほぼアンドロイドのスマホであれば同じように出来る。
「オッケー、グーグル」とスマホに話しかければ、スマホはすぐに反応してその後に続けて「今何時?」と聞けば、スマホが「時刻は10時25分です」と声で応えてくれるし、「明日の東京の天気を教えて」と聞けば、「明日の東京は最高気温25度、最低気温18度で、曇りのち晴れでしょう」と声で応えてくれる。
iPhoneであれば、Siriが答えてくれるでしょう。
つまりスマホ自体もAIのようなものなのである。もちろん、答えてくれるのはまだまだ限られた質問だけではあるが・・・。
でも、確実にAI、人工知能は僕たちの生活の中に入り込んできているのである。
意識を持つアンドロイドやロボットもいつかは出来るのか?
そのスマホ自体、というかすでに古いものとなってしまったガラケー、つまり携帯電話でさえ、僕らが子供のころ、いや学生時代でも、今のように一人1台持つような時代が来るなんて想像もしていなかった。
しかもその携帯電話で、メモリーがなくても音楽が聴ける、映画が見られる、テレビも見られる、なんて本当の未来の話だった。
しかしそれはすでに現実となり、当たり前の普通のことになっているのである。
技術の進化は、あっという間に人間社会に浸透していくのかもしれない。
そういう意味では、AIは研究室レベルではなく日常生活の中でも、あっという間に進化していくのかもしれない。
最初に書いたヒューマンズに出てくるような人間と全く同じようなアンドロイドなんて将来的にも出来るとは思えない、と書いたがそれも間違っているかもしれない。
iPS細胞のような技術が進歩すれば、人間と全く同じ皮膚や髪の毛を人工的に作り、さらに臓器や個別の部位だけでなく、人間の体そのものを人工的に作ることが出来るようになるのも夢ではないのかもしれない。
人工的に作った人間と全く同じ体に、進化したAIを組み合わせてその体を電気的な信号などによって動かすことが出来れば、ヒューマンズのようなアンドロイドは現実として作れるようになるのかもしれない。
物理的な体もそうであるが、もっと早く現実になりそうなのが、人間の脳と同じような機能を持ったAIである。
つまり自ら考え、判断したり、何かを創造したり、さらには喜んだり、悲しんだり、怒ったりという感情を持つ、つまり人間と同じように意識を持つAIである。
人間の意識も現時点では、ある意味では未知のものであると言っていいだろう。
物理的に見えるものでもないし、体の中のどこにあるのかもわからない。おそらくは脳が作っているのだろうけど。
肉体的な体が死んだら、意識はどうなるのか?
肉体と意識は別物だという考え方もある。僕はそちらを信じているのだが。
でも、もし意識が肉体によって作られているものであれば、物理的に意識が作れる可能性はあるだろう。
また、コンピューターがもっと性能をあげていけば、意識に近い能力をコンピューターに持たせることが出来るかもしれない。
そうなると本当に人間と全く同じアンドロイドが現実のものとなる日が来るのかもしれない。
肉体的に人間と同じであれば、生殖機能を持つことにもなる。
さらに遺伝子書き換え技術など、遺伝子操作に関する技術が進化したら、そのアンドロイド自体が、さらに進化したアンドロイドを作ることもできるかもしれない。
また、人間の体は簡単に傷つくので、機械的な体、つまりロボットを作り、それに意識を持ったAIを組み合わせて、意識を持ったロボット、トランスフォーマーのようなものが現実に起こり得る可能性は否定できないだろう。
進化したAIは人類の救世主になるのか、最大の脅威になるのか?
残念ながら亡くなられてしまったが、イギリスの宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士は、次のように言っている。
「強力なAIの登場は、人類にとって最高にもなりうるし、最悪にもなりうる」
そして現時点ではどのどちらになるのかはわからない、とも言っている。
人間は技術の進歩と引き換えに、地球という惑星を壊している。でも、進化したAIはそれを救ってくれるかもしれない。人間ではできなかったような豊かな社会をAIが実現してくれるかもしれない。
しかし、自律したAIは、人間に対して敵対した存在になりうる可能性も否定はできない。そうなったら、人間がAIに服従する世界、あるいは人間が滅ぼされることだってあり得ない話ではないのである。
まさに現在映画でやっているようなSFの世界、未来の世界が現実のものとなる得るだろうと感じつ人は、少なくないだろう。僕らがまだ学生だった頃は、まだまだそんなのは非現実の世界だと思っていたものが、一つ一つ現実になっていく、それが現在の現実なのである。
原子力がそうであるように、技術の進歩は人間社会を豊かにもできるし、壊滅させることもできる。
少なくとも、今の段階では、まだそのコントロールは人間が出来ると思っている。
原子力も、全ての面で完全にコントロールできるところまで技術が進化すれば、人間社会にとってとても有益なものになるだろう。
でも、まだそんな段階ではなかったのである。
まだ完全にコントロール出来ないのに原子力発電所を作り実用化させてしまった結果が現在なのだと思う。
原子力技術の開発、研究はするべきだと思うが、まだ実用に使える段階には達していないと思うのである。
さらにそれを兵器として使うこと自体が間違っているのである。
AIはまだまだこれから進化するだろう。
意識を持つAIが開発され、それこそ本当に人間同等のアンドロイド、ロボットが出来ることは間違いないのかもしれない。
でも、それが人間社会を豊かにするような進化をするように心から願いたいと思う。
人間が作ったAIで、人類が滅びることがないように祈る。