第158回芥川賞受賞作品の2つとは
今年の芥川賞の受賞作品が2つ発表されたのはもう1か月以上前のことである。
受賞作は、次の2つである。
- 百年泥 (石井遊佳氏著)
- おらおらでひとりいぐも (若竹千佐子氏著)
今まで芥川賞作品なんて読んだことはなかったのだが、密かに作家を目指している身としては、そろそろそういった作品も読んでおこうか、というはかない夢を捨てきれずに読んでみることにしたのである。
とりあえず、amazonでこの2つの本を注文、今は両方とも手元にある。
かみさんが、「おらおらでひとりいぐも」を読み始めていたので、僕は「百年泥」を読むことにして、読んでみた。
今日は、その感想などを忘備録として残しておきたいと思う。
今までにない文章テクニックに戸惑い
まず初めて芥川賞受賞作品を読んだ率直な感想として、芥川賞というのはこういう作品が選ばれるのか、ということである。
直木賞が比較的大衆文学的な作品とニュースで聞いたように思うが、芥川賞は、文章のテクニックが重要なのかな、と感じさせる作品であった。
100年に一度の大洪水で流れてきた泥の話であるが、まさにその文章も流れるようなテクニック感を感じさせるものであった。
普通に洪水にまつわるエピソード的な話なのかなと思いきや、いつのまにか場面が全く変わっていて、普通の話かと思いきや、んーっ、SF、ファンタジー? ホラー?と思うような内容になっていたり、凡人の頭では、話の内容についていくのが大変であった。
それでも一気に読めたのは、はやり流れるような文章のうまさなのだろうか。
とにかく、この文章を書くテクニックのうまさが印象に残った本であった。
と、同時に僕はやっぱりいくら頑張っても、芥川賞をもらえるような文章をかけるようにはなれないな、と思わせる作品でもあった。そんなことは当たり前すぎて書いておくのも恥ずかしいのだけど、一応そう思ったので書いておこう。
結局やはり文章を書く才能がないのであろうか、凡人であることをまざまざと教えれれたのであろうか、この本はいったいなんなのかが、1回読んだだけではよくわからなかったのである。
もともとすごい読書家でもないし、小説あるいは文学作品的な本を読んだのもかなり久しぶりだったので、もう少しいろいろな本を読んでからまたこの百年泥を読み直してみたいと思う。
そうすれば、ま他少し違った印象を感じるかもしれない。
ちなみにamazonのレビューを見ると、やはり僕と同レベルの人もいるようで、同じような感想が書かれている。でも、分かる人はわかるようでレビューも★のばらつきよりも2極化しているようだ。
でも実際に芥川賞を受賞しているということはやはり見る人が見れば、すごく良い作品なのだろう。
なんとか、僕もそのレベルになれるようにしないと、作家になる夢はいまだ持ってはいるのだから。
次は「おらおらでひとりいぐも」も読んでみないと
「百年泥」をもっと理解するためにも、そして芥川賞というものの評価の基準を理解するためにも、もう1冊の「おらおらでひとりいぐも」も読んでみないといけないだろう。
かみさんも、もう「おらおらでひとりいぐも」を読み終わったようなので、少し読書の時間をまた作らなくてはいけない。
一応「おらおらでひとりいぐも」のamazonのレビューを覗いてみると「百年泥」よりももしかしたら少しはわかりやすそうなのかな、という期待が出来そうである。
ただ、これまた東北弁で書かれているようなので、そこがどうなのか、不安材料である。
ま、とにかく読んでみよう。読んでまた、率直な感想を残しておこう。将来の作家への夢のために。
また、過去の芥川賞作品も少しずつ読んでみたい気もする。
直木賞作品は?
例年通り、芥川賞と同時に第158回直木賞も発表され、「銀河鉄道の父」(門井慶喜氏著)が受賞されている。
直木賞は、どちらかというと大衆文学の賞であると聞いたように思う。したがって、直木賞受賞作品の方が、僕らには読みやすいのかもしれない。
amazonのレビューも読みやすいのか概ね好意的なレビューが多いようである。
が、今回の受賞作品は 「銀河鉄道の父」ということで宮沢賢治に関する小説のようだ。
作家を目指すといいながら恥ずかしいけど、僕は宮沢賢治を良く知らない。名前はもちろん知っているし、作品名もいくつかは知っているが、呼んだことがないのである。
だから、いきなりこの本を読むことに少し抵抗があり、まずは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」から読まなくてはいけないのかな、という制約感を持ってしまっているのである。
でも読もう。まずは「銀河鉄道の夜」そして本命の「銀河鉄道の父」を。
読んだらまた率直な感想を忘備録として残しておこう。将来の作家になる夢のために。夢を持つのに年齢制限はないからね。