
パスタは食べても太らない食材だった
ダイエットをしている人にとって、パスタは大敵である、というのが一般的な常識ではないだろうか。
しかし、Newsweekによると、そのパスタは実はダイエットの味方である、ということがわかった、というのだ。
これは朗報ではないだろうか。
と言っても、もともと僕の場合は、糖質制限ダイエット中もパスタだけはけっこう食べていたのであるが、結果的にそれが間違いではなかったということになる。
Newsweekによると、カナダで、パスタを食べることと体重との関係を延べ2500名近い被験者を対象に32回もの試験を行った結果、パスタを食べて体重が増えるどころか、逆に減ったという結果になったそうである。
この人数と回数を噛んげると、その結果はかなりの信頼性があると考えていいだろう。
では、なぜパンと同じように小麦を原料とするパスタにダイエット効果があるのか?
理由は、パスタの場合、他の小麦製品に比べてビタミンやミネラルなどの微量栄養素の含有量が多く、GI値が比較的低いこと、そのため空腹感を満たす効果があるため、食べ過ぎを防ぐのではないか、とのことが書かれている。
なるほど、というところだが、パスタってそんなにGI値が低い食材だったのかな、と少しばかりの疑問を感じてしまった。
ダイエットをしている人ならGI値がどんなものんかご存知だと思うが、おさらいしておくと、ブドウ糖を接種した時の血糖値の上昇を100として、その食材を接種した時の血糖値の上昇のしかたを表した数字である。したがって、100日回ほど食後の血糖値が上がりやすい、つまりダイエット的には不適切な食材となる。
パスタのGI値は低い?高い?
パスタのGI値は低いのか、これは比較の問題ではないだろうか。
パスタを主食のひとつだと考えると、確かにお米やパンよりも低いことは確かだ。
おもな主食のGI値(高い順:数字はGI値)
- フランスパン 93
- 食パン 91
- うどん 85
- 白米 84
- そうめん 68
- パスタ 65
- 玄米 55
- そば 55
確かにおもな主食となる食材の中では、パスタは低い方である。
では一般的にGI値がどのくらいだと高い、低い、といわれているのか、確認してみると、
- 高GI:GI値が70以上
- 中GI:GI値が69~56
- 低GI:GI値が55以下
ということで、フランスパンを筆頭に、食パン、うどん、白米はGI値の高い食材であり、そうめんパスタのGI値は中程度ということになる。玄米とそばはぎりぎりでGI値が低い食材になるのである。
ちなみに少し前に調べたマヨネーズのGI値は15と、かなり低かった。
パスタのGI値は高くはないが、低くもない、というところではないだろうか。
でも、主食としてメインに食べる食材なのでパンや白米に比べて低いことが、結果として影響が大きいのかもしれない。
ポイントはパスタのソース、一緒に食べる食材ではないだろうか
ここで、もう一度、Newsweekの記事を確認してみると、この試験に参加した被験者のパスタの食べ方について、次のように書いてある。
被験者は、GI値の低い健康的な食事を心がけ、炭水化物ではパスタだけを食べる生活を送った。その結果、被験者が食べたパスタの量の中央値は週3.33人前だった。
体重が減ったという結果を出した被験者は、パスタ以外は「GI値の低い健康的な食事を心がけ」ていたのである。
ポイント1 パスタのソース
通常、パスタを食べるときはパスタだけを食べることはほとんどないだろう。
ミートソースやカルボナーラ、トマトソース、などなどいろいろなソースや具材との組み合わせでひとつの料理となっている。
したがって、実際にパスタを食事として食べるときは、このソースと具材に何を使うかということがダイエットという観点からは影響が大きいのではないだろうか。
ここでGI値の低い食材を使用したソースや具材を使っていれば、実際に出来上がったパスタは、パスタそのもののGI値よりも低いGI値になっていることが推測される。
パスタに良く使われる食材のGI値
- ニンニク 49
- チーズ類 31~33
- トマト 30
一般的にパスタに良く使われるニンニク、チーズ類、トマトのGI値は上記のようにパスタそのものの65に比べるとかなり低く、さらにパスタによく使われるオリーブオイルは、血糖値を下げる効果のあるオイルとして知られている。
結果として出来上がったパスタを食べるときには、かなり低GIな食べ物になっている、ということだ。
もちろん、パスタと一緒にフランスパンを食べたりすれば別だけどね。
したがって、パスタ以外の食材に低GI値の食材を使い、オリーブオイルを使えばパスタは力強いダイエットの味方になる、ということ、ではないかと推測されるのである。
ポイント2 パスタと一緒に食べるもの
もう一つのポイントは、パスタと一緒に食べるものである。
ここでこのNewsweekの記事が紹介している場所を考える必要がある。
日本ではなく、カナダである。カナダ、つまり欧米諸国と考えてみたいと思う。
日本では、例えばレストランでパスタを食べるときは、注文するのはパスタだけ、という人も多いのではないだろうか。
最近はサラダなどを注文する人も多いかもしれないが・・・。
ポイントは、そこなのである。
僕も以前、ルクセンブルグというヨーロッパの小国で4年間ほど暮らしたことがある。家族と一緒だったが、たまに家族で外食に行くことがあった。主に行ったのはイタリアンレストランである。
理由は、イタリアンレストランは比較的庶民的なところが多く、値段もリーズナブルでおいしいからである。
そういうところでも、だいたい一般的に現地の人は、まずサラダやおつまみ的な前菜、アペリティフを注文する。ほとんどの場合、食前酒がその前かな。
それがけっこう半端ない量なのだ。単に野菜サラダだけではなく、チーズやソーセージ、マリネなど種類も豊富にある。
それを食前酒やワインと一緒に食べながら、メインのパスタを待つのである。
日本人的な感覚で言うと、パスタの前にそんなに食べて大丈夫なの?、と言いたくなるくらいであるが、結局僕らも同じような注文の仕方になっていたのであるが。
最近の日本でも、ダイエッターの常識として、まずは野菜、という野菜ファーストが当たり前のように行われている。そうすれば後にご飯などの糖質の高い、あるいはGI値の高い食材を食べても、血糖値の上昇を抑えることが出来るからである。
ヨーロッパでは、昔から食事の最初はワインを飲みながらアペリティフを食べる、というのが伝統というか、当たり前の習慣である。それは大衆的なイタリアンレストランでもそうであったのだ。
したがって、今にして思えば、食事のパターンそのものが食材によっては、血糖値をあげにくくなっているように思う。
ただし、量は半端ではない。アペリティフもそうだが、パスタの量も日本で言えば超大盛りが普通である。したがって、食事でのカロリー摂取量は日本人の比ではないだろう。が、血糖値の上昇という意味では、最初からご飯を食べる日本よりもいいのかもしれない。
さらにワイン、食事にワインはつきものである。ワインのGI値は30ぐらいであるから、それも血糖値の上昇を抑える効果があるのではないだろうか。
ということで、カナダは実際に行ったことはないが、かみさんのいとこだったか姪だったかが、現在カナダにほぼ永住みたいな形で住んでいて、たまに日本に帰ってきたときの話だと、ほとんどヨーロッパと同じような食生活のようである。
したがって、パスタを食べると言っても、その前にGi値の低い食べ物をたくさん食べていることが推測される。
特にこの試験の被験者は、「GI値の低い健康的な食事を心がけ、炭水化物ではパスタだけを食べ」ていたのである。
これもこの被験者たちがこの試験で体重を減らせた要因ではないかと、勝手に推測するのである。
したがって、もし単純に日本の食事パターンで同じ調査をした場合は、少し違う結果も出るのかもしれないのではないだろうか。
パスタはダイエットの味方であることは間違いない!
いずれにしても、結果としてかなり信頼性の高いデータとして、パスタを食べると体重が減ったということが実証されているのである。
GI値の低いソース、食材と一緒に食べるなどの条件があったとしても、逆に言えば、そうすれば体重を落とせるということでもある。
少なくとも、パスタはダイエットの敵ではない、ということは間違いない。
実は、最初の週休3日ダイエットの時に、ご飯とパンはほとんど食べないようにしていたが、パスタだけはソースやパスタに入れる食材をGI値に気を付けながらけっこう自分で作って食べていた。
週に最低でも1回はパスタを食べていた。よく考えれば、その当時はGI値をけっこう気にしていたので、パスタが主食の中では比較的GI値が低いというのがその理由だった。
でも当時はパスタを食べることに若干の負い目を感じながらだったが、その必要は全くなかったわけである。
当時この情報があれば、もっと気持ちよくパスタを食べられたのかもしれない・・・、が結果として選択は間違っていなかったということになり、それは今にして思えば正解だったという満足感を感じるのはなぜだろうか。
今はご飯もパンも気にせずに食べていて、その分、パスタを食べる機会が減っているかもしれない。
今日の夜はパスタにするかな。