
タンパク質が足りないと瘦せにくい?
ヤフーニュースを見ていたら、「痩せにくい人の食事に足りていないのは〇〇だった!」という記事が目に留まって見てみた。
この〇〇とは、タンパク質だった。
なぜタンパク質が不足すると痩せにくくなるのか?
タンパク質は、全ての細胞のもとになるものである。そして、特にタンパク質の不足によって、筋肉が落ちてしまうと、代謝も落ちてしまう。
その結果、摂取したカロリーを消費しにくい体になってしまう、ということである。
つまり、ダイエットのためにカロリーを制限しようとすると、タンパク質の豊富な食材を制限することになりがちである。
したがって、それによって体重は減るかもしれないが、筋肉も落ちてしまうので、結果として痩せにくい体を作ることにもなってしまう。
その結果、ダイエットを止めたとたんに、リバウンド、元も子もないぐらいならまだしも、ダイエットする前よりも太ってしまう、ということにもなりかねないのである。
したがって、ダイエットをしようと思ったら、必要なタンパク質を摂ることも重要だということだ。
でも、タンパク質ってなんなのか、今回はこれについて少しおさらいしておこうと思う。
タンパク質は三大栄養素の一つである
厚生労働省が運営している生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、次のように書かれています。(同サイトからの引用)
三大(五大・六大)栄養素(さんだい(ごだい・ろくだい)えいようそ)
食物中に含まれる身体に必須の成分のうち、炭水化物・たんぱく質・脂質の総称。
五大ではビタミンとミネラルがこれに加わり、六大では食物繊維もしくは水が加わる。
つまり、体にとってなくてはならない最も重要な3つの成分のひとつが、タンパク質である、ということである。
が、ここでもうひとつ目に留まる成分が・・・、炭水化物。
糖質制限で賛否両論の炭水化物もそのひとつである・・・。それに、ダイエットの敵ともいえる脂質もその一つに入っているではないか・・・。
がここではそこは突っ込まないことにしようと思うが・・・。
でもタンパク質は、ダイエット面での悪い評判はあまり見ない。
というより、糖質制限の賛否にかかわらず必要とされるのがタンパク質だ。
つまり、そういった最近の風潮から見ても、タンパク質はダイエットに有効だと言えるのかもしれない。
では、そんなタンパク質には、僕らの体にどんな役目があるのだろう。
タンパク質の役目
成人の場合、体で最も多い成分は水で、体の約60%はを占めていると言われている。
その次に多いのがタンパク質なのである。
その体に占める割合は、15~20%だそうなのだ。
ということは、水分を除けば、体の約半分はタンパク質で出来ているということになる。
これが、冒頭に書いた、タンパク質は全ての細胞のもとになる、ということである。
従って、代謝を高めるために筋肉が重要と書いたが、タンパク質で出来ているのは、もちろん筋肉だけではない。
体の中の臓器、皮膚、そして髪の毛や、爪、といった体のパーツだけでなく、体の中でホルモンや酵素、免疫物質を作るにもタンパク質が主成分となっている。
つまり、人間の体を作るうえで、また体の機能を保つうえで、タンパク質はなくてはならない成分なのである。
だからこそ、炭水化物や脂質のように今のところはどこの勢力からも悪者扱いされていないのだろう。
では、タンパク質には体に悪い影響を与える要素はないのだろうか。
体にとって、摂ればとるほどいいのだろうか。
タンパク質を過剰に摂るとどうなる?
調べた限りでは、タンパク質を過剰に摂取したことによって、体に決定的なダメージを与えることはないようである。
ただし、マイナス要素として次のようなリスクはあるようだ。
あの江崎グリコ株式会社が運営する「POWER PRODUCTION MAGAGINE」のサイトによると、以下のようなリスクがあるようだ。
- 肝臓や腎臓に負担がかかる
- カロリーが増える=体重が増える
- 腸内の悪玉菌が増える
- 尿路結石の原因となる
肝臓や腎臓に負担がかかる
過剰に摂取されたタンパク質は体内で分解され窒素になる。窒素はさらにアンモニアになる。アンモニアは体に有害なので肝臓で尿素に変えらさらに腎臓で尿にされて体の外に排出される。したがって、過剰なたんぱく質の摂取により、肝臓や腎臓に負担がかかることになり、内臓疲労を引き起こす可能性があるとのことだ。
カロリーが増える=体重が増える
たんぱく質を多く含む食品は肉や卵などカロリーの高い食品が多い。ということは過剰に摂取しているということはそういったカロリーの高い食品をたくさん食べているということになる。その結果、カロリーも必要以上に摂ることになり体重が増える、ということになる。
尿路結石の原因となる
たんぱく質には植物性と動物性があるが、尿路結石の原因となる叶世があるのは動物性のたんぱく質である。
動物性タンパク質は、体内のシュウ酸という成分を増やす。過剰に摂取された動物性たんぱく質は過剰にシュウ酸を増やす。過剰に増えたシュウ酸は尿として体から排出されるが、この時に尿に含まれるカルシウムと結合して石のような塊になる可能性があるとのこと。その結果、尿路結石となり尿管に詰まり可能性があるとのことである。
腸内の悪玉菌が増える
これも動物性たんぱく質が対象となるらしいが、過剰に摂取された動物性たんぱく質は腸内で吸収されずに残ってしまう。その腸内に残ったタンパク質はいわゆる悪玉菌のエサになってしまうということなのだ。その結果、本来少数である悪玉菌の数が増えて腸内バランスが崩れる。そうなると本来の腸の運動が弱まってしまい、食中毒菌や病原菌に対する免疫力が下がる、有害な腐敗産物が多く作られてしまう可能性があるということなのである。
タンパク質も適量がいいようだ
このように、タンパク質を過剰に摂ることによる決定的なダメージはあまりないようであるが、上のようなリスクはあるようだ。4番目の腸内の悪玉菌が増えて腸内バランスが悪くなると、口臭が臭くなったり、体臭への影響があるともいわれている。やはりタンパク質も適度な量を摂るのがいいようだ。
ただ、通常の食生活を送っている限りでは、タンパク質の過剰摂取はほとんど気にすることはないようなので、極端な肉食などをしない限りは、心配することもないようだ。
ということは、やはりタンパク質は積極的に摂るべき、ということだろう。