かかと落とし、2つの効果

かかと落とし、と言っても空手技ではない

「かかと落とし」、というと我々50代世代では、格闘技で使われていた技を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

でも、ここで言う「かかと落とし」は全く違う、誰でもできる健康法なのである。

週刊ポスト4月20日号で大きく掲載されていたので、見た人も多いかもしれない。興味のある人は、ぜひ読んでみてほしいと思う。

でも、もともとこのかかと落とし、近い過去にもけっこう紹介されている。

例えばNHKのためしてガッテン2017年2月15日放送でこの「かかと落とし」が紹介されている。

かかと落としとは、かかとの上げ下げを行う、という簡単な運動である。

ただし、かかと落とし、というようにかかとを下げる時に、ストン、と体重をかけるようにして刺激を与える、というのが単なるかかとの上げ下げとは違うところだと理解している。

ごく単純な、誰でも出来るような運動であるが、これが特に高齢者、つまり我々50代の人間にとっては、とてもありがたい効果を与えてくれる、というのである。

かかと落としの効果

週刊ポストで紹介されている、かかと落としの効果は、大きく見れば2つである。

  1. ゴースト血管を甦らせる
  2. 長寿ホルモンが分泌される

と、効果は2つだけと思われそうだが、この2つによって、それぞれ具体的なメリットはさらに多くなるのである。

ゴースト血管を甦らせる

例えば、ゴースト血管は、「ゴースト血管って?」の記事でも書いているように、血液が通らなくなった毛細血管のことである。

それによって、ゴースト血管になってしまった体の部分には栄養がいきわたらないと同時に、不要な物質が廃棄できなくなってしまう。

それによって、いろいろな体の不具合、疾患を引き落とすのだが、特に50代にとって、気になるのは次の3つである。

  1. シミ、皺などの肌の老化
  2. 認知症(アルツハイマー病)
  3. 骨粗鬆症

ということは、ゴースト血管を予防する、またもしなってしまったらそれを蘇らせるというのは、肌の老化を防ぎ、認知症・アルツハイマー病の予防にもなる、そして骨粗鬆症も防ぐことが出来る、ということになるのである。

つまりゴースト血管対策は、我々50代にとっては、アンチエイジングという観点からもとても重要なのである。

長寿ホルモンが分泌される

ゴースト血管に対するかかと落としの効果は、主にかかとを上下させることによって第2の心臓とも言われるふくらはぎの筋肉を使い、血液の循環を良くする、つまり血流をよくするという点からの効果である。

かかと落としには、ふくらはぎの筋肉によるポンプ効果だけではなく、かかとを落とす、その衝撃による効果がある。

そのかかとを落とした時の骨に対する衝撃が、この長寿ホルモンの分泌に重要な役割を果たしているのである。

  1. かかと落としによって骨を刺激する。
  2. 骨を刺激されることにより、骨を形成する働きを持つ「骨芽細胞」が刺激される。
  3. 刺激された「骨芽細胞」は「オステオカルシン」というホルモン物質を分泌する。
  4. 「骨芽細胞」から分泌された「オステオカルシン」が全身の臓器や組織に働きかけて様々な疾患を予防、改善する。

「骨芽細胞」は骨を作るために必要な細胞なので、当然骨粗鬆症に対しても予防、改善の効果がある。

さらに、「骨芽細胞」は「オステオカルシン」というホルモンを出すことによって、様々な疾患を予防、改善する効果があるのである。

しかし、その「骨芽細胞」は加齢とともに減少し、分泌される「オステオカルシン」も減っていき、骨粗鬆症が高齢者で多いのもそれが一つの理由であるのだ。

それをかかと落としによって、増やすことが出来るのである。

そしてこの「オステオカルシン」は血糖値を下げる効果があり糖尿病を改善する働きがあるのだ。

「オステオカルシン」は「脂肪細胞」から分泌される「アディポネクチン」というホルモンん物質の分泌を促す。この「アディポネクチン」は糖尿病を予防するうえで重要なカギを握っている、とのことなのだ。

そしてこの「アディポネクチン」が長寿ホルモンと言われているらしい。

その理由は、次の通りである。

「オステオカルシン」には動脈硬化や脂質異常を防ぐ効果がある、つまり、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ効果がある、それは寿命を延ばすことになるのである。

「骨芽細胞」は「オステオカルシン」を分泌し、その「オステオカルシン」が「脂肪細胞」からの「オステオカルシン」=「長寿ホルモン」の分泌を促すのである。

また、「オステオカルシン」には、まだネズミでの実験段階だそうだが、脳の神経細胞の減少を抑制する効果がありそうで、認知症の予防の効果も期待できるとのことである。

つまり、かかと落としによる骨への刺激によっても次のような疾患に対しての効果が期待できるということである。

  1. 骨粗鬆症
  2. 糖尿病
  3. 心筋梗塞・脳梗塞
  4. 認知症

骨粗鬆症と認知症は、ゴースト血管対策からの効果とのダブル効果となるのである。

かかと落としは、まさに50代にとってはうってつけの健康法

単純なかかと落としで、これだけの効果が期待できるというのは、驚きである。

ジョギングやランニングは、走るだけで自然にかかと落としになっていると思う。

まぁ、ジョギングを日常的にやっている人にはかかと落としなんて必要ないかもしれないが、ジョギングが出来ないような人でも、かかと落としは出来るだろう。

僕は今スロージョギングをやっている。普通のジョギングは出来ないが、スロージョギングはそんな人間でも楽に出来るのである。

この記事、というよりすでにNHKスペシャルでも観ていたので、スロージョギングでもなるべくかかとに刺激があるような走り方をしている。

走るスピードは早歩き以下だが、歩数を稼いで、かかとへの刺激を増やすような走り方を心掛けている。

実際にやってみたわかったのであるが、スロージョギングは早歩きよりも楽である。でも、足への衝撃は歩くよりも大きい、ということは、このかかと落としと同様の効果が期待できるのではないかと思っている。

でも、そのスロージョギングが出来ないという人がいたとしても、このかかと落としは出来るだろう。

1日30回でもいいらしい。これを継続して行えば、とても効果的なアンチエイジングになるということである。

とはいってもかかと落としを真剣に30回連続でやるのは最初は大変な人もいるかもしれない。

その場合は、無理なく出来る範囲で始めて、少しずつ増やしていけばいいのではないだろうか。

大事なのは継続することだと思う。

50代、第2、第3の人生のためにかかと落としで健康寿命を延ばしたいと思う。

かかと落としの参考になりそうな本があったので、記しておこうと思う。